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【旅行会社インタビュー】訪日旅行は本当に伸びているのか?海外旅行会社の日本担当者に、実感値を聞いてみた 〜 中国, 台湾, 香港 編 〜

日本側の報道では「訪日旅行(インバウンド)が伸びている」という話が、よく取り上げられています。為替や関税引き締めの影響により、お買い物の需要は徐々に変化をし始めているようですが、訪日の数が伸びていることに対する否定的な報道は、ほとんど目にすることはありません。

では、果たして現地、海外の旅行会社は、日本旅行への伸びをどのように感じているのでしょうか?これまで INBOUND RESEARCH .jp では、日本から海外を調査するという視点から、情報をお届けしてきました。今回は、海外から見た「旅行先:日本」 という観点から、「訪日旅行は本当に伸びているのか?」という問いについて、旅行会社にインタビュー調査を行いました。

定量データでは、訪日旅行は続伸。

日本政府観光局の統計によれば、訪日旅行客が多い3ヵ国( 中国, 香港, 台湾 )の訪日旅行者数の増加率は、それぞれ 38.2%, 23.8%, 18.5% (2016年7月までの対前期比)で増加しています。現在、数値からは増加傾向が明白に現れています。

はたして、上記のデータ、訪日旅行の現場から見た感覚としては、今、どうなっているのでしょうか。訪日旅行市場の 真相, 変化 そして今後の展望も知るために、海外旅行代理店に直接インタビューを行い、訪日旅行需要の生の声を聞いてみました。

調査前提

  • 調査時期:2016年9月1日〜9月5日
  • 調査方法:海外旅行代理店インタビュー( 中国, 香港, 台湾 各5社、計15社)

調査項目

  • Q1. 訪日旅行のニーズは昨年に比べて増えていると感じますか?
  • Q2. 訪日旅行の売上は前期比でどれくらい変化していますか?
  • Q3. 昨年と比較として、全体を通したニーズの変化はありますか?ある場合、どのようなところですか?
  • Q4. 最近お客様からご要望いただいた旅行先の中で、特別なリクエストはありましたか?
  • Q5. これから日本旅行はどうなっていくと思いますか?
  • Q6. 最近日本旅行で人気のルートはどのようなパッケージですか?

中国, 台湾 と香港で、前期比の印象は大きく異る。

Q1. 訪日旅行のニーズは昨年に比べて増えていると感じますか?

%e5%9b%b31中国, 台湾 の訪日旅行需要は10社中9社が「昨年に比べて伸びた」と回答。香港の旅行代理店からは、5社中3社から「伸びていると感じない」という回答を得ました。 以下より、調査内容の中で特筆すべき点に関して、国別でサマリーを記載します。

【中国】今後の展望は明るい。訪日旅行ニーズは多様化の兆し。

5社中5社が今後の訪日旅行需要が「増加する」と回答。

「Q2. 訪日旅行の売上は前期比でどれくらい変化していますか?」の問いに対しては、1社が「減少した」と回答したものの、4社は「10%〜50% 対前期比で増加した」と回答しました。中国に関しては、日本側での観測と同様、訪日旅行は増加していると考えて間違いなさそうです。

早くも変貌を遂げ始めた、訪日旅行者の行き先ニーズ。

「Q3. 昨年と比較として、全体を通したニーズの変化はありますか?ある場合、どのようなところですか?」への回答として、ゴールデンルートなどの一般的な団体ツアーへの問い合わせが減ってきたという意見が1社からありました。本回答は、日本旅行を10年担当されている方からの意見だったため、過去のトレンドを反映していると感じます。 団体ツアーから FITへの変化。個人手配の小人数ツアーや、自由行動が多く組まれているツアーといった、自由度の高いパッケージのニーズが高まってきているようです。

爆買いは ブランド, 家電 から日用品へシフトし、体験需要も伸びている印象。

一風変わったツアーを要望されるお客様も増えてきているのが中国の特徴です。特に、日本文化を深く体験できるものが人気になってきているようで、例えば、和服の体験, 美食ツアー などが要望として上がっていました。中には、運転手の方を手配したレンタカーを予約し、自由に写真を撮りながら日本を周る旅をされている方もいるようです。

人気ルートは5社中3社が「北海道」と回答。

人気ルートは「北海道」が5社中3社の回答に登場し、最も人気なルートとなっていました。他には、京都や中部昇龍道(ドラゴンルート)という回答が寄せられました。「本州 + 北海道」という意見も2社から回答があり、やはり北海道を含むルートのニーズが人気となっているようです。

【台湾】今後の展望読めず、価格に敏感な消費者心理が反映されている。

5社中4社が訪日旅行の前期比の伸びに対し「YES」と回答。しかし、その内情は、団体が減少し、個人旅行(FIT)が増加している。

台湾の旅行代理店からは「団体が減少し、個人旅行(FIT)が増加している」という意見が5社中3社から寄せられました。団体旅行の売上は、前期比で20〜50%ほど減少しているそうです。一方個人旅行は、前期比15〜30%増加している印象とのことでした。要因としては、日本〜台湾間のLCC(格安航空会社)の普及が起因している、という意見が各社から寄せられました。

今後の訪日需要の展望は、5社中4社が「わからない」と回答。

訪日旅行ニーズを感じるとの回答は5社中4社で、潜在需要はあるものの、旅行会社の売り上げにはつながっていないようです。LCCの影響で個人旅行(FIT)のニーズが増える一方で、円高による宿泊料金増加がマイナス要因として作用しており、特に団体旅行の人数は減少しているとのことでした。

円高で値上がりする訪日旅行を避け、為替の影響が小さい中国や韓国への送客が増加。

円高の影響により、為替の影響が小さい中国や韓国などの他のアジア地域へ送客が増えているようです。価格が安く、旅程の内容も充実しているため、訪日旅行に関しては価格を下げ(利益を削り)、売上を保とうとしている、という意見も出ておりました。

盛り上がりを見せていたのは「四国」。ポケモンGoの影響、という意見も。

人気ルートは、2社から「四国」という意見が出ていました。中国と異なり、北海道は、1社のみの回答。ポケモンGoの影響により、鳥取や、東北地方に人気が出ているという興味深い意見も寄せられていました。

【香港】前期比については「顕著な変化はない」、今後は「伸びる」との展望。

中国, 台湾 と同様に、個人旅行(FIT), 少人数ツアー 需要が増加の兆し。

香港に関しても、個人旅行(FIT)と小人数ツアーが伸びているという回答が目立ちました。関連して気になった点として、「ホスピタリティ」に関する言及が多いと感じました。団体ツアーに参加されたお客様から 「他の客とはツアーするのが嫌だ」「団体ツアーは食事がおいしくない」「観光地がどこも同じに感じる」 といった不満の声が上がっているようです。

高まる期待値。食事, 宿泊地, 観光地 において「特色があるかどうか」がカギ。

香港の旅行会社によると、団体ツアーに組まれているような買い物にはあまり興味がなく、着物を着る, 高級なお食事を楽しむ, 自然の風景を楽しむ, ドライブ旅行, 撮影旅行 といった、教育性や体験が充実しているアクティビティを含むツアーの人気が高いそうです。いわゆるゴールデンルートではないツアーで、珍しい観光地や体験といった高い満足度を旅行に求められていると感じました。

マーケットは限定的だが、旅行先進国としてのインサイトを参考にしてみてはどうか。

香港は、人口が約719万人とマーケットが限定的であるため、マーケティングの対象として議題に上がることが少ないと感じますが、今回の調査によって、旅行のインサイトが最も「先に行っている」のではないかと感じました。旅行に対する期待値の高さや、体験需要への変化など、香港の旅行者からの情報は日本の地方部への誘客に関しても貴重なインサイトとして参考になるのではないでしょうか。 なお、人気ルートに関しては香港に関しても北海道が圧倒的な人気となり、5社中4社が回答しておりました。その他、山陰, 四国, 九州, 中部 との回答が並び、ゴールデンルートという回答は1社のみでした。

以上、訪日旅行の展望に関する旅行会社インタビュー調査をお届けしました。

やはり、中国, 台湾, 香港 は共通して団体旅行からFITにシフトしてきており、自由度の高い旅行を求めています。旅行先のニーズは多様化し、 東京, 大阪 の都市部から地方部へとシフトしてきています。今年から地方自治体の誘客ニーズが非常に増えてきていると感じるのですが、ニーズの方向性としては地方部へと注目が集まっており、極めて追い風であると感じました。 なお、本レポートの元となる調査結果は、データ販売を行っております。ご興味のある方は、下記お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。

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