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【徹底解剖シリーズ】個人旅行者(FIT)は今、訪日旅行に対してどのようなニーズがあるのか? ~ 中華圏編 ~ 【後編】

先週に引き続き、訪日個人客の最新動向特集、中華圏編の後編部をお届けします。

前編では、中華圏から訪日する個人旅行客(FIT)の 「情報収集」, 「周遊ルート」, 「宿泊」 に関するトレンドを中心に、解説しました。後編では、「買い物」, 「食事」, 「移動方法」 を中心に解説します。

弊社が提供する、個人旅行者(FIT)に特化した旅程のコンシェルジュサービス「GUIDEST」の中華圏担当者との2016年9月28日のインタビュー内容の後編部(以下、質問項目のQ7~Q11)をお届けいたします。(GUIDESTの事業内容を知りたい方は、こちらをご参照ください。)

質問項目

  • Q1. 現在GUIDESTではどの国からの依頼が多いですか?
  • Q2. (以下、GUIDESTユーザーの)主な訪日目的は何ですか?
  • Q3. 旅前や旅中では、どうやって情報を収集していますか?
  • Q4. 各国で人気な周遊ルートは何ですか?
  • Q5. 訪日旅行の予算は何円ですか?
  • Q6. 宿泊先にはどのようなニーズがありますか?
  • Q7. 買い物にはどのようなニーズがありますか?
  • Q8. 食事にはどのようなニーズがありますか?
  • Q9. 移動方法にはどのようなニーズがありますか?
  • Q10. 地方自治体の訪日客対応でユニークだと感じた事例を教えてください。
  • Q11. 訪日客の面白いエピソードを教えてください。

Q7. 買い物にはどのようなニーズがありますか?

中国からの訪日客にとって、日本商品は「信頼」の代名詞。

GUIDEST中華圏担当者によると、中国からの訪日客は、日本の商品に対して高い信頼を持っていると感じているようです。特に、一眼レフカメラや高級時計などの精密商品に関しては、購入後故障するリスクがあるため、商品の信頼度が高く故障しにくいと信じられている日本製商品を、日本現地で購入されています。

また、女性は、日本でスキンケア商品を買うことが多いようです。日本で購入する理由は、「中国の商品だと偽物の可能性もあるので、日本で売っている商品を買うほうが安心」だから。特に、P&GのSK-IIや、ALBIONなどの高級ブランドが人気なようです。

円高の影響で2015年ほどのお得感はないものの、中国で同様の商品を買うのに比べて、日本だと販売価格が20%ほど依然として安く(弊社担当者の感覚値)、免税対象にもなるので、日本と中国との価格差が日本での高級スキンケア商品の購入を引き続き牽引しているのではないかと感じております。

中国の口コミサイトでは日本のドライヤーが大人気。

中国では、日本のドライヤーが「髪に優しい」という口コミが、微博(ウェイボー)などの中国版SNSサイトで広まっているようです。パナソニックの「ナノケア」というドライヤーは依然として大人気で、「髪が乾きやすい」, 「静電気が起こりにくい」, 「髪が柔らかくなった」, 「騒音が少ない」 などの口コミがあるそうです。この商品は海外プラグ対応のモデルもあり、中国で使用時に変換プラグが不要な点も購入の決め手になっていると考えられます。

日本同様、中国でもお土産を買う習慣がある。人気のお菓子は固定化されてきている。

中国でも、日本同様、旅行中にお土産を買う習慣があるようです。送り先は、同僚や上司のためよりかは、友人や家族のためにお土産を購入することの方が多いようです。 弊社担当者によれば、中国からのお客様はお土産にお菓子を買うことが多いようです。値段が比較的高いお菓子では、「東京バナナ」や「ロイズチョコレート」が人気なようです。

「東京バナナ」は、「東京」という場所名が商品名に載っていることで、「日本」からのお土産だと分かりやすいことが人気が高い理由の一つ。加えて、空港などでの購入時に、手持ち紙袋に「東京バナナ」のデザインが載っているものが使用されることがよくあり、他の観光客への宣伝効果を生んでいるのではないかと感じているようです。

中国の最も有名な個人輸入サイト、淘宝(タオバオ)では、生チョコで有名な「ロイズチョコレート」の20粒入り生チョコが、1,100円ほどで売られているのに対して、日本の免税価格は720円。日本で買うことで割安感があり、日本でのまとめ買いに繋がっていると考えられます。

弊社担当者によれば、値段が比較的安いお菓子の中では、「じゃがりこ」や「キットカット抹茶味」が人気です。日本といえば、やはり抹茶が有名という印象が強いとのこと。そして、中国からのお客様は、以前に訪日客が日本のお土産としてもらったものと同じものを買う傾向があるそうです。「日本で買うべきもの」だと中国で認知されれば、日本での「リピート買い」が加速していくと考えられます。

Q8. 食事にはどのようなニーズがありますか?

中国からの観光客は、旅前から食べたい日本食が決まっていることが多い。

中国から日本に訪れるお客様は、中国で日本食として有名だと思われている食べ物に集中する傾向があるようです。例えば、中国で人気な日本食は、カニ, うなぎ, 寿司, うどん, ラーメン, 大阪のたこ焼き だそうです。旅中で、「もんじゃ焼き」 などの中国ではあまり知られていない日本食を試される方は少なく、旅前から、日本で食べる品目を予め絞って、店選びをしている方が多いと感じます。

中国内の出身地によって好みの日本食が分かれる。

中国でも、北京や上海などの沿岸部から来られるお客様は海鮮が好きなことが多く、武漢などの内陸部からのお客様は「しゃぶしゃぶ」や「ステーキ」などの肉が好き方が多いとのこと。内陸部からのお客様は「刺し身」などの生魚と馴染みが無く、食べられない方も少なくないそうです。

全体的に、日本食のイメージとして「麺類」の品目が強いようで、「うどん」や「ラーメン」などの麺類が丼物よりも人気だと感じているようです。特に、麺類が主食な中国北部からの訪日客、その傾向が強いようです。中国内でも食文化が違うので、好まれる日本料理が違うとのことでした。

日本と中国で「吉野家」の味比べをする。

中国で食べられる日本食でも、訪日時に需要があるようです。その代表例が、「吉野家」。中国と日本での吉野家の牛丼の味に相違があるようで、中国からの訪日客は日本の吉野家の牛丼の方が美味しいと思っている方が多いようです。中国現地でも当然ローカライズをしているとは思いますが、その思惑とは裏腹に日本での味付けが人気になる、という現象はとても興味深いですね。

お店選びは、行列の長さや良いレビュー(口コミ)の多さが重要な決め手。

SNSなどで口コミが多い店、もしくは店先の列が長い店が中国からの訪日客にとっては人気なようです。その代表例が、とんこつラーメンで有名な「一蘭」。微博(ウェイボー)などの中国版SNSサイトやブログで店の情報が拡散し、日本のラーメンといえば「一蘭」と考える方も多いようです。確かに、都市部の「一蘭」には行列を作っている訪日客の姿がよく見受けられます。店先の長い列を見て、他のお客様が並ぶほど美味しい料理だと思い、その列に並ぶという中国からのお客様が多いようです。

高級日本食レストランはミシュランサイトから検索する方もいる。

食にこだわりのある中国からの訪日客は、ミシュランなどの格付けを気にされる方がいるようです。ミシュランガイドから日本のレストランを選び、予約を依頼されることもあるそう。実際にあった事例として、ドキュメンタリー映画、「Jiro Dreams of Sushi」(日本名「二郎は鮨の夢を見る」)でも紹介され、米国のオバマ大統領も訪問された有名寿司店「すきやばし 次郎 本店」で夕食をされたいという予約のご依頼がありました。

Q9. 移動方法にはどのようなニーズがありますか?

中国からの訪日客は、バスよりも電車移動の方が安心だと認識されている。

訪日旅行を安く抑えたいお客様は、交通費を抑えるために、都市部も地方も、出来る限り、電車を使う傾向があるようです。乗り間違えたら乗り換えが難しいバスよりも乗り換えが簡単な電車の方が交通手段として好まれるようです。

地方では、車の手配のニーズも多い。

予算にこだわりが無いお客様は、地方での車(ハイエース等8人乗りのレンタカー)の手配を依頼されることもあるようです。ドライバー兼ツアーガイドを雇うことによって、車内で景色を見ながら、地元情報も知ることができるというのも人気の理由のひとつ。特に、電車の本数が少ない北海道や公共交通機関としてバスが主流の沖縄では、車の手配ニーズが多いようです。

現行の交通法では、中国の運転免許証保持者が日本で車を運転することができないため、自らレンタカーを運転するというニーズがないのも、車の手配の依頼が多い理由の一つだそうです。特に、中華圏の富裕層の間では、石垣島などの沖縄の離島や四国の高松など、海外旅行者が少ない地方へ旅行する需要もあるようで、地方部における移動に関するニーズは今後ますます増えていくと考えられます。

Q10. 地方自治体の訪日客対応でユニークだと感じた事例を教えてください。

鳥取市:1人1,000円で3時間 タクシー乗り放題

鳥取市では、外国人観光客のみを対象に、1人あたり1,000円で最大3時間までタクシーに乗れるサービスを始め、そのサービスを利用する中華圏からのお客様が増えているようです。3時間のモデルコースとして、有名な鳥取砂丘の他にも、山陰海岸, 雨滝, 白兎神社 の中から1ヶ所行けるように考えられており、より多くの観光名所に足を運んでもらいたいという地方自治体の工夫がニーズを捉えているようです。

熊本市:ご当地キャラを通じた地方の認知度アップ

熊本県のご当地キャラ「くまモン」は中国でも大人気で、九州のPRに一役を買っているようです。日本国内外で、九州のプロモーションイベントが開催され、認知度が高まってきているようです。加えて、上海から福岡空港まで2万円以内で行けるLCCの航空券もあるのも、九州が人気になっている理由の一つだと思われます。

Q11. 訪日客の面白いエピソードを教えてください。

富裕層の中国人客による高級日本食の「爆食い」、1日で飲食代100万円。

中華圏からの富裕層のレストランに対する要求が高いと感じているようで、中国からの4家族25人の少人数ツアーを手配した時に、昼食と夕食を合わせて、1人あたり4万円の予算を用意された中国からのお客様がいたようです。

こちらのお客様は京都に観光された際に、昼に神戸牛のステーキ、夜にカニを召し上がられたそうですが、お客様が飲食代で、1日で合計100万円ほど使われ、飲食店の方からGUIDESTの中華圏担当者に大変感謝されたことがあったようです。神戸牛もカニも京都を代表する料理ではないのですが、中国人観光客からの予期できない食事ニーズへの対応が必要となる事があるようです。この同じお客様は、翌日に京都の有名料理、豆腐や湯葉も堪能されたようです。

以上、訪日個人客の最新動向特集、中華圏編をお送りしました。次週、10月17日(月)には、個人旅行者ニーズの徹底解剖記事、東南アジア編をお届けします。

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