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【徹底解剖シリーズ】個人旅行者(FIT)は今、訪日旅行に対してどのようなニーズがあるのか? ~ 東南アジア編 ~ 【前編】

今回は、個人旅行者(FIT)の最新動向特集、東南アジア編 前編 をお届けします。

2016年10月3日から2週連続でお届けしている、訪日個人客の最新動向特集 中華圏編に引き続き、今回は東南アジア編です。前編では、東南アジアから訪日する個人旅行者の 「情報収集」, 「周遊ルート」, 「宿泊」 に関するトレンドを中心に、解説いたします。

弊社が提供する、個人旅行者に特化した旅程のコンシェルジュサービス「GUIDEST」の東南アジア担当者(出身国:インドネシア)との2016年10月5日のインタビュー内容の前編部(以下、質問項目のQ1~Q6)をお届けいたします。(GUIDESTの事業内容を知りたい方は、こちらをご参照ください。)

質問項目

  • Q1. 現在GUIDESTではどの国からの依頼が多いですか?
  • Q2. (以下、GUIDESTユーザーの)主な訪日目的は何ですか?
  • Q3. 旅前や旅中では、どうやって情報を収集していますか?
  • Q4. 各国で人気な周遊ルートは何ですか?
  • Q5. 訪日旅行の予算は何円ですか?
  • Q6. 宿泊先にはどのようなニーズがありますか?
  • Q7. 買い物にはどのようなニーズがありますか?
  • Q8. 食事にはどのようなニーズがありますか?
  • Q9. 移動方法にはどのようなニーズがありますか?
  • Q10. 地方自治体の訪日客対応でユニークだと感じた事例を教えてください。
  • Q11. 訪日客の面白いエピソードを教えてください。

Q1. 現在GUIDESTではどの国からの依頼が多いですか?

東南アジアの利用者は、フィリピンとインドネシアの個人旅行者が多い。

東南アジアからのGUIDESTを利用する訪日客は、フィリピンとインドネシアが大半。東南アジアでGUIDESTへの依頼の多い国ランキングは、多い順に フィリピン, インドネシア, シンガポール となっています。

フィリピンの個人旅行者は、先進国へ出稼ぎに出ている方も多く、旅慣れている。

フィリピンは、アメリカ, オーストラリア, シンガポール などの先進国に出稼ぎに出ている方も多く、旅慣れている印象があるようです。オーストラリア在住のフィリピン国籍の訪日客は、「先進国の就労ビザ保持者は、旅行目的が観光のみの短期滞在であることの信憑性や旅行費用の支払い能力があると判断されることが多いので訪日ビザが承認されやすく、日本領事館に直接、訪日観光ビザを申請することができるメリットもある」と感じておりました。

また、別のフィリピンの在住者からは「日本領事館が承認した、限られた現地旅行会社が訪日ビザの代行を行っているため不便さを感じるが、ビザ承認は申請から3日ほどで早かった」という声がありました。フィリピン国籍の方は、先進国からのビザの申請も多いことに加え、経済力に問題がなければ、個人でビザを取り、日本に訪れる傾向が多いと感じております。

東南アジアからのGUIDEST利用者は、30代前後の生活に余裕がある層が多い。

GUIDEST を利用する平均的な年代層は、20代後半~30代前半の若年層。GUIDESTへ依頼する東南アジアの客層は、役職についている会社員など、安定的な収入があり生活に余裕がある方が多いという印象とのこと。GUIDESTの東南アジア担当者によれば、1回の依頼における平均訪日客数は 2人~10人 の家族連れが多いと感じているようで、2人などの少人数の場合は、夫婦や親子のケースが多いそうです。

Q2. (以下、GUIDESTユーザーの)主な訪日目的は何ですか?

東南アジアからのお客様は、「買い物」と「旅程」を重視。

GUIDESTの主な利用目的として、「買い物を楽しみたい」と「短時間で多くの場所を巡りたい」とのニーズが強いと感じていらっしゃいました。自国から日本への距離は、地理的に中華圏より東南アジアの方が遠いため、東南アジアからのお客様は長時間フライトを経て、たどり着いた日本で多くの場所を行きたいというニーズが強いようです。

特に、フィリピンの場合は、タイやインドネシアに比べて、個人でのビザ取得が厳しく、容易に訪日できないため、フィリピンからの訪日客はいろんな場所に行けるように旅程を充実させたいというニーズがあると考えられます。

インドネシアからのお客様は、お食事場所に「アクセスの良さ」を求める。

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、インドネシアの場合、訪日中の食事は周遊先付近の便利な場所など、「その場で決める」パターンが多いと感じているようです。食事にこだわりを持つ中華圏からのお客様とは、異なる結果になりました。インドネシアから来られる訪日客は、地理的に近いシンガポールの料理はよく知っているが、地理的に遠い日本の食べ物のイメージがまだあまりないと感じているようです。

日本食レストランの、東南アジア市場への参入が今後増えていけば、インドネシア人にとって日本食がより馴染みのあるものになり、日本食へのこだわりも持つようになる可能性があると思われます。

Q3. 旅前や旅中では、どうやって情報を収集していますか?

旅前の情報収集は、Web検索が主流。

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、東南アジアからの個人旅行者の客層は、ミレニアム世代(1980年〜2000年生まれ)が多く、デジタル化された生活に慣れ親しんでいるため、旅前の情報収集はWebでの検索が多いようです。ただ、インドネシアの年配層でインターネットをあまり使わない方は、ショッピングモールなどで海外旅行代理店が開催する日本旅行フェアで情報を得ることもよくあるとのことでした。東南アジアにおいても、ターゲットによってリーチする方法は異なるようです。

日本でのインターネット利用方法は各国で異なる。

フィリピンの場合、フィリピン現地に無料WiFiスポットが多いことから、日本でも無料WiFiの利用を考えている方が多いそうです。日本の無料WiFiに不便さを感じた方は、日本現地でポケットWiFiを借りる方もいるようでした。

インドネシアの場合、現地旅行代理店を通じて、旅前に日本のポケットWiFiを取得されることが多いようです。旅行代理店のポケットWiFiの在庫が切れている場合は、インドネシアの空港でレンタルするケースが多いとのこと。GUIDESTの東南アジア担当者によれば、日本で使えるポケットWiFiの調達において、日本とインドネシアでは料金差はあまりないと感じているようで、現地通貨のインドネシアルピアで支払えることや、旅前からインターネット環境を整えることの安心感から、インドネシアでポケットWiFiを取得することが多い理由だと感じていらっしゃいました。

シンガポールの場合は、「シンガポール・チャンギ空港にて日本で使えるポケットWiFiをレンタルした」, 「ビックカメラでデータ通信のみのSIMカードを購入した」, 「ホテルにチェックインする際に、ポケットWiFiをレンタルし、チェックアウト時に、返却するサービスを利用した」, 「AirbnbのホストがポケットWiFiを貸してくれた」 など日本でのデータ通信の取得方法はさまざまな声がありました。

訪日旅行の総合情報サイトで調べ、口コミサイトで他の旅行者の意見も参照。

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、観光地の検索では、訪日外国人向け観光情報サイト、ジャパンガイド(英:” japan-guide.com “)が多いとのこと。そして、口コミサイト、トリップアドバイザー(英:” tripadvisor “)で他の旅行者からの意見を見ることもよくあるようです。宿泊先の予約は、海外OTAのAgodaBooking.com、もしくは民泊で有名なAirbnbが人気のようです。飲食店に関しては、インドネシアの場合、以前に訪日した友人や家族からの意見を聞くことはあるが、現地で便利な場所に入る傾向が多いと感じているようです。

Q4. 各国で人気な周遊ルートは何ですか?

  • フィリピン:東京, 大阪, 京都
  • インドネシア:ゴールデンルート
  • シンガポール:北海道, 九州

フィリピン:観光地の知名度を重視する傾向

フィリピンからの訪日客は 東京, 大阪, 京都 の周遊を希望される方が多いようです。訪日初心者の行き先はゴールデンルート、日本への再訪者の行き先は地方という一般的なトレンドとは違い、フィリピンからの訪日客は、2回目以降も前回に周遊した場所を選ぶ傾向が強いそう。

訪日経験が複数回あるフィリピンからの訪日客によれば、フィリピン人はインターネットでお勧めされている場所や知名度の高い場所を巡る傾向があり、現時点では、日本の地方情報がまだフィリピン人の間では拡散されていないのでは、という意見がありました。

インドネシア:「ゴールデンルート」が依然人気だが、地方への旅行ニーズも増加の兆し

インドネシアの場合、初めて訪日する方を中心に、「ゴールデンルート」が最も人気で、次いで「アルペンルート」, 「北海道」, 「九州」 も徐々に人気になってきているとのことでした。2014年12月に施行されたインドネシアのIC旅券保持者を対象とした個人訪日ビザの大幅緩和に加え、格安航空会社(LCC)の増加や日本の地方自治体や現地旅行会社の訪日旅行のプロモーションを背景に、今後も徐々に日本への再訪者が増え、旅行ニーズが地方へ移っていくと感じていらっしゃいました。

フィリピン, インドネシア:体験ニーズはまだ少なく、多くの有名観光地を巡る

フィリピンとインドネシアのお客様による体験系の旅行ニーズはあまり多くないようです。京都へ行く予定のあるお客様に、1人あたり3,500円の着物の着付け体験を勧めると、断られることがとても多いとのことでした。GUIDESTの東南アジア担当者は、インドネシアでも着物を着ることができるので、わざわざ日本で着る必要がなく、3,500円払って得られる費用対効果が少ないと感じていらっしゃいました。

体験系の旅程で深く日本文化を感じるよりも、フィリピンとインドネシアからのお客様は、予め日本で訪れる場所をリストアップし、有名な観光地を巡り、Facebook, Path, Instagram などのSNSサイトにその場で投稿する傾向があり、浅く広く日本の景色を観賞することが重要だと考えられます。

シンガポール:日本への再訪者による地方開拓が進んでいる。

シンガポールからの訪日客は、リピート客も多く、北海道や九州などの地方に旅行ニーズがシフトしているようです。シンガポールはインドネシアやフィリピンとは違い、訪日観光ビザが不要であることや、東南アジアの中でいち早く経済成長を遂げ、世界的にも給与水準が高いことが、シンガポールからの日本への再訪者が多い理由だと思われます。

加えて、シンガポールの経済成長に伴い、日本食レストランによるシンガポールへの参入が増えたことや、シンガポール高島屋などのショッピングモールで地方自治体によるプロモーションイベントが多く開催されていることも、日本の地方部への開拓が進んでいる理由だと考えられます。

Q5. 訪日旅行の予算は何円ですか?

東南アジアからのお客様は、中華圏からの訪日客よりも平均滞在期間が長い。

GUIDESTを利用する東南アジアからのお客様の滞在期間は、6泊7日~9泊10日が多いそうです。前回に特集した中華圏からの訪日客の平均滞在期間の6泊7日より、東南アジアからお客様の滞在期間の方がやや長いようです。

インドネシア:レジャーへの支出が多い国民性

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、インドネシアはレジャーへの支出が多い国民性なようです。年収が200万円~300万円の上位中間層の4人家族の場合、年間のレジャー予算額は最大80万円だと感じておりました。もし1年間で日本旅行だけにレジャー予算を当てた場合、1人あたり20万円を超えない範囲で旅程を組むとのことでした。

Q6. 宿泊先にはどのようなニーズがありますか?

フィリピン, インドネシア:旅館の連泊はまれ。海外OTAや民泊のAirbnbで宿泊費を安く抑える

GUIDESTを通じて依頼するフィリピンやインドネシアのお客様からは、「旅中で1泊は旅館で泊まりたい」と要望が多いです。そして、ホテルを希望される場合は、「古くなく、清潔感があるところ」を依頼することが多いようです。

GUIDESTを通さず、宿泊場所の手配をする方は、海外OTAのAgodaやBooking.comでホテルを抑えたり、民泊のAirbnbを選ぶ傾向があるようです。

インドネシア:宿泊先の立地や利便性を重視。徒歩を嫌う国民性。

宿泊場所は、交通の便がよく、観光地にも近いが好まれる傾向があるようです。GUIDESTの東南アジア担当者によれば、東京では新宿や皇居付近、大阪では心斎橋や大阪駅付近が好まれるようです。特に、インドネシア人は、自国での移動が基本的に車(ドライバーさんが運転するマイカーもしくはタクシー移動)のため、徒歩を嫌い、立地や利便性を重視する傾向があると感じております。

以上、個人旅行者ニーズの徹底解剖記事、東南アジア編の前編部をお送りしました。Q7~Q10のインタビュー内容は、10月24日(月)に公開する後編にてお届けいたします。後編も是非、ご期待いただけますと幸いです。

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