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【徹底解剖シリーズ】個人旅行者(FIT)は今、訪日旅行に対してどのようなニーズがあるのか? ~ 東南アジア編 ~ 【後編】

先週に引き続き、訪日個人客の最新動向特集、東南アジア編の後編部をお届けします。 前編では、東南アジアから訪日する個人旅行客(FIT)の 「情報収集」, 「周遊ルート」, 「宿泊」 に関するトレンドを中心に、解説しました。

今回の記事(後編)では、「買い物」, 「食事」, 「移動方法」 を中心に解説します。 弊社が提供する、個人旅行者に特化した旅程のコンシェルジュサービス「GUIDEST」の東南アジア担当者(出身国:インドネシア)との2016年10月5日のインタビュー内容の後編部(以下、質問項目のQ7~Q11)をお届けいたします。(GUIDESTの事業内容を知りたい方は、こちらをご参照ください。)

質問項目

  • Q1. 現在GUIDESTではどの国からの依頼が多いですか?
  • Q2. (以下、GUIDESTユーザーの)主な訪日目的は何ですか?
  • Q3. 旅前や旅中では、どうやって情報を収集していますか?
  • Q4. 各国で人気な周遊ルートは何ですか?
  • Q5. 訪日旅行の予算は何円ですか?
  • Q6. 宿泊先にはどのようなニーズがありますか?
  • Q7. 買い物にはどのようなニーズがありますか?
  • Q8. 食事にはどのようなニーズがありますか?
  • Q9. 移動方法にはどのようなニーズがありますか?
  • Q10. 地方自治体の訪日客対応でユニークだと感じた事例を教えてください。
  • Q11. 訪日客の面白いエピソードを教えてください。

Q7. 買い物にはどのようなニーズがありますか?

インドネシア:日本特有の商品が人気。海外ブランドの日本限定商品の購入例も。

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、インドネシアでは中々手に入らない日本商品が人気だそうです。日本独特の衣料品として浴衣が知られており、日本現地で購入される方もいらっしゃるそうです。お菓子では、「白い恋人」や「東京バナナ」。これらお土産品としての知名度も高いお菓子については、空港で買える利便性も人気の要因だと考えられます。

そして、中華圏からのお客様同様、豚骨ラーメンで有名な「一蘭」が人気で、一蘭のインスタント麺も買われるお客様も多いとのこと。インドネシアにおいては、特に中華系インドネシア人の間で一蘭の人気が特に高いようです。

インドネシアでも、「インドミー」(英:”Indomie”)など、現地のインスタント麺ブランドが浸透しており、インスタント麺を軽く調理して、食べる文化もあるようです。

GUIDESTの東南アジア担当者は、インドネシアからの富裕層のお客様が日本で高級ブランドを買う需要はあると感じていました。過去の例として、インドネシアからの観光客が銀座でショッピングを1日中楽しまれたことがありましたが、お目当ては、イギリスの高級衣料品ブランド「バーバリー」など海外ブランドの日本限定商品。日本のブランドでなくても、日本限定商品であれば、日本で買うメリットを感じているようです。

シンガポール:日本での買い物はお土産に限られる。美容グッズは、韓国ブランドが日本ブランドよりも人気。

訪日経験が複数回あるシンガポールからの訪日客によれば、「日本からのお土産は定番化していて、『東京バナナ』, 『ロイズチョコレート』, 『白い恋人』 に人気が集中している」とのことでした。お土産以外では、シンガポール人が日本で買い物することはあまりないと感じていらっしゃいました。その理由の一つとして、シンガポールの消費現場では、日本ブランドよりも韓国ブランドを好む現地の方も増えてきていると考えられます。

とあるシンガポールの30代女性からは、シンガポール人の若年女性の間では、「エチュードハウス」(英: “Etude House” )などの韓国の美容グッズブランドは日本ブランドよりも人気になってきており、韓国ブランドの印象として、「安い」, 「直営店があり、品揃えも豊富」, 「パッケージもシンプルで、わかりやすい」という意見がありました。シンガポールで販売している日本の美容ショップでは「コージー本舗」も人気のようですが、大手ドラッグストア、ワトソンズ(英: “Watsons” )など、大手企業の 参入, 代理販売 の影響で「韓国ブランドよりも高い」, 「商品説明が長く、分かりづらい」 と現地では声があがっているそうです。シンガポールでは、海外ブランドの参入が激しくなってきているため、現地の購入者の目線に立った、きめ細かいマーケティングが今後はより重要になってくると感じます。

Q8. 食事にはどのようなニーズがありますか?

フィリピン:食事の「ボリューム」を求める。現地では、うどんブーム。

ムスリム(イスラム教徒)が多いインドネシアに比べ、フィリピンからのお客様はキリスト教徒であることが多く、宗教上の食事制限は少ないようです。弊社が取り扱う団体旅行でも感じることですが、フィリピンからの訪日客は高級な料理を少し嗜むよりも、食べ放題などボリューム感のある食事を好まる傾向があります。フィリピンの有名地元ファーストフードチェーン、「ジョリビー」(英: “Jolibee” )では、ハンバーガーやフライドチキンを主に扱っているのですが、サイドメニューとしてスパゲッティや白飯も付いてくるセットもございます。現地の食事からも「ボリューム」が求められていることが伺えます。

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、「フィリピン現地では、ラーメンは引き続き根強い人気があるものの、新たに『うどん』がブームになってきている」との現地の声があるそうです。近年、 「名代富士そば」, 「おうどん」, 「天丼てんや」 などの日本食レストランがフィリピンに多く参入しており、フィリピンの方々が自国で日本食に触れる機会は徐々に増えてきているようです。

インドネシア:ムスリムのハラル意識は個人差はあるものの、豚肉はほぼ食べない。

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、イスラム教を信仰するインドネシア人のハラル(イスラム法にそって調理された料理)に対する意識は、個々人で変わってきている(人によっては緩くなってきている)と感じていらっしゃいました。

飲食店がハラル認証を得るには、食肉の屠殺方法がイスラム法に則っていることに加え、食品の 保存, 輸送, 流通, 販売 の段階で、アルコールや豚肉由来成分などイスラム法で禁止されるものを使用しないことが求められます。ムスリムのインドネシア人は、ハラル認証が飲食店になければ入店しないわけではないようですが、豚肉料理を避ける意識は徹底しているので、ハラル認証されている飲食店は安心して来店できるそうです。そして、お酒に関しては、全く飲まない方もいれば、こっそり飲まれる方もいらっしゃるようです。ムスリムの間でも、飲食可能な品目には個人差があると感じました。

インドネシアにはイスラム教徒以外にも、仏教徒で牛肉を食べない方やベジタリアンの方もいるそうです。そして、宗教上の制限があまりない中華系のインドネシア人は、肉料理の制限がない方が多いようです。インドネシアは多宗教国家だそうで、日本の飲食店側が各料理に含まれている肉の種類をメニューに記載するなどの対応が必要だと感じていらっしゃいました。

前編でも解説したとおり、インドネシア人は食事場所に「アクセスの良さ」を求める傾向があるようです。GUIDESTの東南アジア担当者は、「インドネシア人が、食事だけのために大阪駅から心斎橋まで移動するようなことは滅多にない」と感じていらっしゃいました。

Q9. 移動方法にはどのようなニーズがありますか?

滞在期間が7日以上の東南アジアからの訪日客はJRパスを選ぶ。

前編でも解説したとおり、中華圏からの訪日客に比べ、東南アジアからの訪日客は日本での平均滞在期間が長く、訪日時に多くの観光地を巡る傾向があるため、GUIDESTの東南アジア担当者がJRパスを購入することを勧めることが多いそうです。JRパスは、 7日, 14日, 21日間用パス に分かれており、訪日滞在期間が長いほど、お得になっております。東南アジアからのGUIDEST利用者は、JRパスの料金を高いと感じ、一度は購入を躊躇するが、最終的には、買うケースが多いようです。もちろん、JRパス購入者の移動方法はJRパス利用可能経路が多くなります。

シンガポール:レンタカーで、北海道を自由に周遊。

シンガポールの訪日客からは、「東京や大阪に比べ、北海道は公共交通機関が不便なので、レンタカーで友人と一緒に北海道を巡ったことがある」との声がございました。国土面積が東京 23 区ほどの広さしかないシンガポールでは、自動車保有者が入札で得られる車両所有権証書(COE)の取得を義務付けられており、その発行枚数を制限することによってシンガポール国内の車両台数を調整しています。そのため、電車やバスを利用する通勤者が多く、日常生活で運転しない方も多いのですが、シンガポールの現地の方からは、「車を所有していない方が運転免許書を持っているケースも多く、オーストラリアなど、車がないと不便な国では、レンタカーで移動する方も多い」と聞いております。訪日客が地方へ開拓するにあたり、地方でのレンタカーのニーズを強く感じております。

Q10. 地方自治体の訪日客対応でユニークだと感じた事例を教えてください。

北海道:ジャカルタ大型ショッピングモールの電子看板広告で北海道を大々的に宣伝。

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、インドネシアのジャカルタでは、2015年に北海道の冬の旅行シーズンが始まる12月より3ヶ月ほど前から大型ショッピングモールの電子看板広告を通じて、北海道が大々的に宣伝されたことがあったそうです。そして、インドネシアのタクシー車両に設置されている液晶モニターにも、北海道のCMが流れていたそうです。その宣伝効果もあってか、GUIDESTの東南アジア担当者によれば、2015年12月は本州よりも北海道の旅程依頼が多かったと感じていました。海外広告媒体を用いた大規模なプロモーションより、観光地の地名度や集客力が上がったという印象深い出来事だったそうです。

京都:日本料理のハラル対応など、ムスリムのお客様への「おもてなし」が進んでいる。

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、ムスリム対応が最も進んでいる自治体はおそらく京都とのこと。京都市は、「 “Muslim Friendly Kyoto” 」というムスリム観光者向けウェブサイトを開設し、礼拝所の紹介, 日本料理の説明, ムスリム対応されている飲食店と宿泊施設の紹介 がなされております。他にも、京都ハラールネットワーク協会により、食品流通や飲食業界の関係者へのハラルに対する教育やハラル認証取得への支援を行っており、ムスリム対応できる京都の飲食店の拡充を目指しています。

Q11. 訪日客の面白いエピソードを教えてください。

フィリピン:アニメ好き男性、日本でランドセルを購入。

フィリピン人男性の訪日客で、大手百貨店、伊勢丹の学生用品コーナーで、ランドセルを購入されたことがあったそうです。この男性は、幼少期に日本のアニメを見て育ったようで、「学校のシーンでランドセルを背負う小学生が印象に残っており、日本の百貨店でランドセルを見た時に、買いたくなった」と語っていました。

訪日経験が複数回あるフィリピン人の30代女性からは、幼少期で最も人気な日本のアニメとして、「超電磁マシーン ボルテスV」を挙げ、他にも、「超電子バイオマン」, 「宇宙刑事シャイダー」, 「機動戦士ガンダム」, 「ドラえもん」, 「とんでぶーりん」 が人気だったそうです。「超電磁マシーン ボルテスV」は、当時の独裁政権下のフィリピン政府で放映禁止になるほど有名で、正義のヒーローが悪と戦うシーンがフィリピン人の心を射止めたとのこと。特に人気だった戦隊ヒーロー系のアニメの他にも、30代のフィリピン人は幅広いジャンルの日本のアニメを見て幼少期を過ごしたようです。

シンガポール:猫好き女性、愛媛の「青島」への旅程の依頼。

GUIDESTの東南アジア担当者によれば、ユーザーからの旅程依頼においては、ニッチなご要望が多くなっているそうです。最も印象的だったニッチな旅程依頼は、愛媛の「青島」で猫と戯れたいというものでした。情報収集方法は定かではありませんが、検索ツール、「Google」で  ” Cat Island in Japan ”  というキーワードで調べると、「青島」を紹介するサイトが複数、上位ページに存在していました。シンガポール本土周辺の島、セントジョーンズ島で猫が多いことで知られており、憶測ではありますが、日本でもセントジョーンズ島同様、猫の多い島を求めていたと考えられます。

以上、4週間に渡って、訪日個人客の最新動向特集、中華圏編東南アジア編をお送りしました。次週、10月24日(月)には、番外編として、アジア圏以外の国からの訪日客のニッチな旅程ニーズを特集いたします。

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