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【外食シリーズ】訪日ベジタリアンが救った、大阪「パプリカ食堂ヴィーガン」の生き残りを賭けた奮闘ストーリー

前回のハラール特集に引き続き、今回は動物愛護や環境保護等を背景に世界中に広まるベジタリアンに注目しました。以前の調査ではヴィーガン(最も厳格なベジタリアン)なフランス人の旅行に密着し、京都でのヴィーガン対応を取り上げました。ベジタリアンは世界中で若い世代を中心に増えており、今後もベジタリアン人口が増えると予想されます。

ベジタリアンと一口に言っても、動物性食品や衣服を避けるヴィーガン(最も厳格なベジタリアン)、乳製品も食べるラクト・ベジタリアン(乳菜食者)、卵も食べるオボ・ベジタリアン(卵菜食者)、野菜の中でも五葷(ごくん)を避けるオリエンタル・ベジタリアンなど、様々な定義があります。従って、ベジタリアンの方が来客した場合にはNG食材とOK食材を確認することが重要になります。

そこで今回は、以前に密着したフランス人の方が数少ない大阪のヴィーガン料理店の中で最も美味しかったと絶賛した「パプリカ食堂ヴィーガン」を運営する株式会社街のあかりの代表取締役、中井純一さんに日本のヴィーガン事情やヴィーガンを求めるインバウンドの客層についてお聞きしました。

果たして、日本に訪れるベジタリアンはどのように日本で飲食店を選んでいるのでしょうか?

統計から分かる、点在するベジタリアン人口

ベジタリアン人口で世界最多のインド、宗教上の理由でラクト・ベジタリアンが主流

世界最大のベジタリアン人口を誇るインドでは、全国民の39%がベジタリアンであるという統計があり、他国の群を抜く水準です。ただ、インド国内でもベジタリアン比率は地方によって大きく異なり、インド北西部のラジャスタン州(75%)やハリアナ州(70%)が最も高く、インド南西部ではベジタリアン比率が10%以下の州も多くあります。古代インドを起源とする宗教( ヒンドゥー教, 仏教, ジャイナ教 )の重要な教義であるアヒンサーはサンスクリプト語で非暴力を意味し、生き物を殺したり害したりすることを好まないインド人の国民感情があります。そのため、インド人のベジタリアンは卵は食べないが乳製品は食べるラクト・ベジタリアンが多い傾向があります。

ベジタリアン人口のアジア第2位は台湾、動物性食材だけでなく五葷も避ける仏教系ベジタリアン

ベジタリアン人口が世界最多のインドに次いで、台湾はアジアで2番目にベジタリアン比率が高く、菜食は素食(スーシー)と呼ばれる精進料理が典型的な例です。台湾の菜食文化のルーツは道教と大乗仏教の教えであると言われています。道教には陰陽調和を大切にして「気」を損ねてはならないという教えがあり、大乗仏教は動物性食材は不殺生(アヒンサー)の精神と臭いが強い五葷( ネギ, ラッキョウ, ニンニク, ニラ, 玉ねぎ等 )は修行を妨げるため避けたことがオリエンタル・ベジタリアンの根底の考え方になっています。当社の台湾人スタッフによると、台湾のベジタリアン人口は若年層よりも年配層に偏っているように見受けられるそうです。一方で中国は文化大革命により宗教の影響が弱まったり、一昔前まで肉食が繁栄の象徴と考える風潮があったりと、台湾よりもベジタリアン比率が低い水準にあります。ただ、最近では中国で深刻化する大気汚染をきっかけに若い世代の環境保護に対する意識や健康志向の高まりでベジタリアンへの関心が徐々に高まっています。

欧米豪では動物愛護を強く訴えるヴィーガンだけでなく、食制限が緩めのフレキタリアンが急増

欧米豪では 健康志向, 動物愛護, 環境保護 などのさまざまな要因がベジタリアンになる理由として挙げられます。特にヴィーガンになる人は動物の権利(アニマルライツ)を守ろうとする倫理的な理由であることが多いと言われています。以前の自主調査で密着したヴィーガンなフランス人は動物の権利を訴える米ドキュメンタリー映画「アースリングス」を視聴したことがきっかけでした。英市場調査会社のミンテルの調査によると、2016年に新たに販売されたヴィーガン向け飲食品の数はドイツが世界最多であり、同年にドイツで新たに販売された全飲食品の13%を占めています。そして、毎回の食事で菜食のみを食べるベジタリアンよりも肉食を減らすだけの柔軟な菜食スタイルを好むフレキタリアンが急激に増えており、今後もヴィーガン向け飲食品の需要が高まっていくと予想されます。

訪日外客数が10万人を超える国のベジタリアン比率(東南アジアは除く) Vegetarian Percentage出典:訪日外国客数と国別シェアは2016年のJNTOデータ、ベジタリアン比率は単一の機関が算出した国別統計結果はなく、各国の調査会社が独自に算出した統計を元に作成。東南アジア諸国は同様の統計が見つからず、省略。(引用先:日本, 韓国, 中国, 台湾, 香港, インド, 英国, フランス, ドイツ, イタリア, 米国, カナダ, 豪州

世界中のユーザーが店舗掲載できるベジレストラン情報サイト「 Happy Cow 」

世界中のヴィーガンやベジタリアンがレストラン探しに役立てているサイトとして、Happy Cow(ハッピーカウ)が世界的に有名です。2017年9月時点、掲載店舗数は約6万店舗、アクティブユーザー数は約7万人、口コミ投稿数は約23万件を誇る世界有数のベジレストラン情報サイトです。50ヵ国以上の国々を旅した米国出身のエリック・ブレント氏は世界各地でヴィーガン料理を探すのに苦労した経験をきっかけに、Happy Cow を1999年に創業しました。世界中のユーザーがレストランを掲載することが可能で、掲載料は無料です。レストランはヴィーガン, ベジタリアン, ベジフレンドリー に大きく分類され、ベジタリアン向けスーパー等も掲載されています。日本全国の掲載店舗数は約950店舗あり、 東京(290店舗), 京都(100店舗), 大阪(68店舗), 札幌(34店舗), 沖縄(31店舗) が日本国内で最も掲載店舗が多い上位5地域になっています。そのうち、日本全国のヴィーガンレストランの掲載数は約220店舗あります。現在、Happy Cow の言語設定は英語のみで、日本人利用者は少なく、英語を話す外国人利用者がほとんどだと考えられます。 Happy Cow

ビーガンメンズ日本一に輝いた中井店長が経営する「パプリカ食堂ヴィーガン

パプリカ食堂ヴィーガン」は 2014年2月にオープン、大阪・心斎橋の喧騒から少し離れた路地に店を構える。お店のコンセプトは「たべて、のんで、きれいになる。」メニューはヴィーガン(完全菜食)だけでなく、マクロビオティック(玄米菜食)とローフード(酵素栄養学)の考え方も取り入れている。そのため、動物性食品を避けるだけでなく、白砂糖や化学調味料等も避け、有機・無農薬野菜(オーガニック)を使用。「パプリカ食堂ヴィーガン」店長の中井純一氏は独立当時から続けるイタリアン・バル(居酒屋)と2017年4月にオープンした関西初の完全菜食バーガー店「VEGAN BURG KITCHEN 」を運営する株式会社街のあかりの代表取締役。NPO法人アニマルライツセンターが2015年に主催した「ビーガンメンズ日本一!第1回総選挙」では中井氏が得票数第1位で優勝者に選出された。 Paprika_Vegan_Shokudo

質問項目

  • Q1. どのような経緯で完全自然菜食(ヴィーガン)のバルを始めたのですか?
  • Q2. 一般の飲食店と比べて、食材の仕入れ・調理の面で苦労する点は何ですか?
  • Q3. どのようなお客様がパプリカ食堂ヴィーガンにいらっしゃるのですか?
  • Q4. 今後どのような事業展開を行なっていこうと思いますか?

Q1. どのような経緯で完全自然菜食(ヴィーガン)のバルを始めたのですか?

暴飲暴食で体を壊し、食事が大切だと改めて痛感

今も続けているイタリアンレストランを元々経営しており、好きなものを食べたり飲んだりする日々を送っていました。料理も大好きで、飲食店業が天職だと思っていました。しかし、数年後にこれまでの暴飲暴食がたったのか、体を壊し入院しました。幸いにも病気は大したことなかったのですが、食べ物が大切であると改めて考えるきっかけになりました。それから、さまざまな本を読み漁り、行き着いたのが菜食でした。

自然菜食に出会ってから食事が格段に楽しくなったと同時に、大好きだった外食が窮屈になった

それからは菜食を作るのも食べるのも楽しくなり、毎日の食事がより楽しめるようになりました。自称グルメだと思い込み、グルメを求めてあちこち外食をしていた自分が恥ずかしくなるほどでした。そんな外食が大好きな私でしたが、菜食の虜になってからは外食できる店がなくなりました。菜食の美味しさを世の中にもっと広めたい、私のように外食に窮屈に感じているヴィーガンがいるはずだと思うようになり、ヴィーガン専門のレストランの開業を考え始めました。

ヴィーガンレストランは競合皆無のブルーオーションにしか見えなかった

そして、ビジネスとしても大阪でヴィーガン専門のレストランがなく、この事業がブルーオーションにしか見えませんでした。ただ、一緒に働いていたイタリアンバルのスタッフにこの話を打ち明けると、マスターが狂ってしまったのではないか、ヴィーガン専門店は受けない、という不安な声がほとんどでした。ただ、競合他社がいなかったので事業がうまくいくという自信があったのと、初めて心から本当にしたいと思える事業に出会えたので迷いはありませんでした。

客入りが想定よりもかなり下回り、倒産の危機に直面、店を救ったのはインバウンド客の増加だった

パプリカ食堂ヴィーガン」は大阪府堺市で運営している他の店舗とは異なり、思い切って大阪市・心斎橋に出店することにしました。日本のヴィーガン人口は少ないので、需給の関係でヴィーガンレストランも少ないのは当たり前だと思っており、大阪市内に店を出すことで客足がより増えると思っていました。しかし、実際にレストランを2014年にオープンしてみると、想定の3分の1ほどしか満たない客入りでした。この店の出店により会社全体の業績も悪化し、倒産の危機にも追い込めれました。以前に目を通したビジネス本に書かれていた経営のご法度、独りよがりではビジネスにならないという言葉が身にしみて現実味に感じました。幸いにも、店が存続できているのはここ2年間で徐々に増え続けたインバンド観光客のおかげで、日本人だけが客層だったらとっくに閉店しているところでした。

Store Ambience以上、「パプリカ食堂ヴィーガン」の店内。

Q2. 一般の飲食店と比べて、食材の仕入れ・調理の面で苦労する点は何ですか?

化学調味料を完全に料理から排除するのは5つ星レストランのシェフであっても難しい

実は料理を作る上でヴィーガン(完全菜食)よりもマクロビオティック(玄米菜食)の方が難易度がはるかに高くなります。肉や魚を使わずにヴィーガン料理を作るのはそう難しくはないのですが、化学調味料を一切使用しないマクロビオティック料理を作るのは容易なことではありません。ホテルの5つ星レストランのシェフでさえ料理から化学調味料を完全に抜くとお手上げ状態になってしまうほど、飲食店業界では化学調味料があらゆる料理に含まれています。

意外にも自然栽培野菜の仕入れ値は一般の野菜に比べてそう高くはなかった

パプリカ食堂ヴィーガン」では、以前から経営しているイタリアン・バルとは違い、自然栽培の食材を調達するのに新たな仕入先を開拓する必要がありました。一般消費者は自然栽培(オーガニック)の野菜は値段が高いというイメージがあるかもしれません。しかし、送料で高くなるものの、実はオーガニック野菜の仕入れ値はそう高くはありません。そして、自然栽培の野菜農家は仲間意識が強く、仕入先は農家の紹介で知ることができました。多くの自然栽培の農家は生協やスーパーに流す流通ルートを持っておらず、作物を作っても売れずに困っていたり、かといって安定な供給もできないというジレンマを抱えています。そのような農家を束ねて安定供給しているところもあります。スーパーでは一年中置いてある野菜でも、自然栽培のものは一年中供給があるとは限りません。例えば、レタスは年に数ヶ月しか仕入れることができず、サラダの内容も時期によって変えています。

原価率ではなく目に見えない労働コストこそがマクロビ専門店の採算が合わない最大の理由だった

生鮮野菜と同じく、調味料も市販のものは一切使用できないため、調味料の原料はマクロビ専門の卸売業者から仕入れ、調味料を全て手作りで作っています。例えば、マヨネーズの原材料は豆乳やオリーブオイルなどを使用しているのですが、作る工程に1時間を要してしまいます。原価は市販のマヨネーズよりもオーガニックの手作りマヨネーズの方が少しばかり高いのですが、それよりも市販で0秒で買えるものを手作りで1時間かける労力の方が高くつきます。マヨネーズはたった一例ですが、他にもハンバーグソースや照り焼きソースも全て手作りです。マクロビ専門料理店がオープンしては次々と閉店に追い込まれる背景には原価ではなくこの労力こそが課題だと実際に開業して初めて気づかされました。それだからといって、市販のものに代用することは決してしませんし、メニュー価格に転嫁してしまうと客足が減ってしまうといったジレンマは常にあります。そのため、経営を続けるために仕込みの手間がかかり過ぎる料理をやむなくメニューから外すしかありませんでした。今もなおメニューに残っている舞茸を使ったカキフライと長芋を使ったうなぎはその一例ですが、お客さんからの根強い人気があるため残っています。

Oyster Friesカキフライ

Unagiうなぎの蒲焼

ターゲット客は肉を食べる一般客、野菜で肉や魚を再現できるように試行錯誤を繰り返す

オープン当初から念頭に置いていることとして、菜食に興味を持つ同趣味のニッチなコミュニティーだけを対象にしても今後のヴィーガンの発展に貢献できないと考えていたため、肉食の一般客をターゲットにしたメニュー構成にしました。肉食の方でも美味しいと思えるヴィーガン食を提供しない限り、菜食の本当の美味しさに気づいてもらえないと考えたからです。そのため、日本国内の数少ないヴィーガンレストランを食べ歩き、野菜で肉の食感と味を再現する方法を模索し続けました。京都の某ヴィーガン料理店には何度も足を運び、肉食の友人にも大豆ミートの焼肉を食べてもらったのですが、誰もが肉だと勘違いするほどうまく再現できていました。オープン当初はこの味を目標にして、肉食の人が来店しても野菜だとバレないほどの肉の食感と味を再現できるように試行錯誤を繰り返しました。今では野菜で作るハンバーグや唐揚げはどのような味がするのか興味本位で来店してくださるお客さんも少なくなく、菜食でも美味しいと感じて頂けるような工夫をしています。そして、外国人には肉だけでなく、3日前から仕込みが必要なヴィーガン寿司のコースも大人気です。

Hamburgハンバーグ定食

Karaage唐揚げ定食

Pizzaヴィーガンピザ

V Sushi1ヴィーガン寿司

Q3. どのようなお客様がパプリカ食堂ヴィーガンにいらっしゃるのですか?

ベジタリアンな外国人の飲食店探しは Happy Cow が主流

去年あたりから外国人観光客(インバウンド)が増えて今では客層の約半数を占めるようになりました。インバウンドが増えたきっかけに Happy Cow の存在があります。オープン1年目のある日、外国人女性が来店された際に、 Happy Cow にこの店を掲載する話を持ちかけてくれました。その当時、私は Happy Cow の存在すら知らなかったのですが、そのお客さんが当店を掲載してくださいました。するとその後、Happy Cow を元に来店するヴィーガンやベジタリアンの外国人観光客が増えました。

Happy Cow - Paprika Shokudo Vegan以上、Happy Cow に掲載された Paprika Shokudo Vegan のページ。

意外にもアジア系ベジタリアンが多く、台湾の禁葷食やムスリムのハラール料理にも対応する

来店する外国人観光客の出身国はアジアと欧米豪で半々だと感じています。アジアは台湾と中国が多く、オリエンタル・ヴィーガンへの配慮で五葷を抜く場合にはドレッシングに通常使用する玉ねぎを抜いた特製のドレッシングを作るなどして対応しています。その一方、欧米豪はヴィーガンであれば何でも食べれる方が多い印象です。他にも、少数ですが、ムスリムのお客様もいらっいます。ムスリムは禁酒なため、甘味料として通常使用するみりんの代わりにメープルシロップやアガベシロップで代用しています。肉と魚を使わないだけで様々な食制限を持つ外国人客に対応しやくなります。海外のお客さんもヴィーガン・レストランにはこのような柔軟な対応力を期待して来店してくださっていると感じています。

日本人は常連客が増え、女性は美容、男性は健康への意識が高い

日本人のお客さんは少しずつ常連客が増えてきました。日本ではヴィーガンはまだ少ないのですが、こだわり野菜が食べたいというお客さんが多い気がします。女性は美容意識が高いヨガの団体や動物愛護を訴える団体もいたり、男性は病気を理由に健康的な食事を求めて来店する客が多い気がします。数年前にオーガニックという言葉が世間に浮上するようになり、ヴィーガン食もこれから注目されるようになると感じています。そして、もしヴィーガンの友人を誘って食事をする場合にはヴィーガンレストランでしか食事ができないので、ヴィーガンでない友人が同調してヴィーガンレストランに来店される方もいます。

マクロビとローフードはヴィーガンよりも少数派、ローフードだと料理の加熱も不可

ヴィーガンよりも少数ではありますが、マクロビオティックとローフードのお客さんもいらっしゃいます。マクロビオティックは地産地消の考え方を持っており、基本的には菜食だが魚がとれる地域に住む人は魚を食べる人もいます。さらに、一物全体の考え方に基づいて基本的に野菜の皮や根も料理に使い、捨てることはしません。そして、ローフードを召し上がる方は加熱した食事を食べないので、基本的にサラダしか食べることができません。当店では事前に仰っていただければ、繊維が強い大根とカブなどで作ったパスタを加熱することなく作ることができます。

Q4. 今後どのような事業展開を行なっていこうと思いますか?

ヴィーガン食をより多くの子供にも届けたく、関西初の完全菜食のバーガー店を2017年4月にオープン

2017年4月には関西初の完全菜食のバーガー店「VEGAN BURG KITCKEN」を大阪・堺市にオープンしました。ハンバーガーは大人も子供も食べるのに敷居が低い食べ物であるため、ヴィーガンのハンバーガーを作ることで体が悪いジャンクフードというイメージを根底から覆し、子供でも安心安全なハンバーガーが楽しめます。今後未来を担っていく子供たちに菜食の美味しさを少しでも知ってもらいたいという気持ちがこもっています。実はずっと前からヴィーガンのハンバーガーを作りたいと思っていたいのですが、日本ではそのような店はなく、海外に目を向けてみると、シンガポールに「Vegan Burg」という店があることが分かり、いても立ってもいられずシンガポールまで実際に行って店を見学しました。来店するとヴィーガンのハンバーガーを楽しむ子供連れの家族で店は賑わっており、日本でもヴィーガンのハンバーガーの店を出したいと期待が確信に変わりました。

「パプリカ食堂ヴィーガン」での新メニューも乞うご期待

「パプリカ食堂ヴィーガン」でも新メニューをリリースしました。野菜をふんだんに使ったオムレツや酢豚が最近の新メニューです。秋冬にはスタッフ同士の賄いでも食べるチゲ鍋を販売する予定です。

VBurg3おからコンニャクカツバーガー

VBurg1オーロラソースバーガー(アボカド入り)

肉ばかり宣伝する日本は訪日ベジタリアンにとって旅行しづらい国

「なぜ日本のレストランは肉を推しているのですか。」来店した外国人観光客の一言です。日本はベジタリアンにとって旅行しづらい国であり、肉が日本人の食生活に根強く浸透していることを意味しています。牛丼の吉野家のように、肉を強く推している店が多い日本は世界的に見たら異常なのかもしれません。菜食が見直されているグローバルなトレンドから遅れをとっているものの、日本の現代人が今までのやっつけ的な食生活を見直し、菜食に対する関心が高まってくると期待しています。今後も、自然菜食の楽しさ、素晴らしさを少しでも多くの人に実感してもらえるような事業や活動を行なっていきたいです。

以上、「パプリカ食堂ヴィーガン」の中井店長にインタビューを行いました。

以上、「パプリカ食堂ヴィーガン」店長の中井純一さん(右)と本記事の執筆を担当した私(左)

外国人観光客からの口コミ例(引用元:HAPPY COW):

  • ハンバーグセットを注文しました。今まで食べたモックミートの中で1番美味しかったです。料理はボリューム満点でとても美味しく、スタッフの対応も素晴らしかったです。店の内装は可愛らしく、ゆっくりできる雰囲気でした。お気に入りのヴィーガンレストランです。(米カリフォルニア出身のヴィーガン)
  • USJにはベジタリアンの店がなく、USJに観光した後に立ち寄りました。玉ねぎとニンニク抜きにも対応してくださりました。(インドネシア出身の中華系ベジタリアン)
  • ベジタリアンではない彼氏と一緒に来店しました。彼は唐揚げ丼を食べ、私はきのこと豆腐でできたカキフライを食べました。両方とも美味しく、さらに美味しかったのはデザートでした。私はチョコレートアイス、彼はデザートの盛り合わせを食べました。オススメです。スタッフもとてもフレンドリーでした。(フランス出身のベジタリアン)

前回のハラール特集とは違い、ヴィーガンやベジタリアンは世界中に点在している傾向があります。そのため、ムスリムは自分の国でハラールの店が探しやすいのに対して、ヴィーガンやベジタリアンは自分の国でも行けるレストランが限られており、Happy Cow のようなレストラン検索サイトが重宝するのも頷けます。

そして、訪日ベジタリアンが抱える心配事として日本国内のベジタリアンレストランの少なさです。先日、北海道に旅行に行ったベジタリアンな外国人観光客は旅行先でインド料理屋ばかり食べていたとお聞きしました。日本の都市部ではベジタリアンへの意識が少しずつ高まっていますが、地方ではまだまだの状態です。レストラン側がベジタリアンのメニューを数品置くだけでも訪日ベジタリアンにとって日本がより旅行しやすい国になるのです。

本メディア「 INBOUND RESEARCH .jp 」では、旅行現場での生の声をもとに作成した自主調査記事を隔週配信いたします。インバウンドのリサーチやプロモーションに関する質問等ございましたら、以下のお問い合わせフォームより気軽にご連絡いただけますと幸いです。今後ともご覧くださいませ!

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