Japanese Wagyu

【外食シリーズ】中国人・台湾人で行列のできる飲食店のナゾ、大阪なのに松坂牛が人気な理由とは。

前々回から続くハラール特集ヴィーガン特集で取り上げたニッチ市場とは視点を変え、外食シリーズ最終回の今回はインバウンド観光市場のマス市場をリードする中国人と台湾人の日本での飲食事情についてお伝えします。そこで、当社、株式会社フリープラスのインバウンド・マーケティング部で調査を担当する中国出身の林とプロモーションを担当する台湾出身の蘇に中国人と台湾人の日本での飲食店探しや人気飲食店の秘訣についてお聞きしました。

果たして、日本に訪れる中国人と台湾人はどのように飲食店を選ぶのでしょうか?

統計から分かる、飲食費と買物代で客単価が最も高い東アジア

外国人を日本に連れて飲食店に案内する場合、国別の懐事情を知り、予算に応じて飲食店を選ぶことが重要です。どんなに料理が美味しくても値段が高すぎたり、かといって期待を下回る料理のクオリティーやボリュームを低価格で提供してもあまりよくありません。従って、飲食店は国別で適切な価格帯を把握することでどの国をターゲットにすれば効果的なのか知る手がかりになります。

飲食費が高いグルメ国は香港とシンガポール

1人1泊あたりの日本国内消費額は東アジア諸国が最も高い傾向にあります。これは東南アジアや欧米豪に比べて平均泊数が短く、航空運賃が安いため、1日あたりにかける旅中の予算が高く設定できるからだと推測できます。費用別では日本国内消費額に占める買物代の割合が東アジアは突出して高く、買物代の比重が低い欧米豪に比べて対照的な傾向でした。一方、宿泊料金は欧米豪が東アジアよりも高い傾向にあり、1人旅が多い傾向の欧米人は1人あたりの宿泊単価が高くなるのだと思われます。そして、飲食費は東アジアの客単価が比較的に高く、国籍別では高い順に 香港(5,487円), シンガポール(4,363円), 韓国(3,966円), オーストラリア(3,876円), 台湾(3,596円)でした。中国は飲食費が東アジアで最も低い結果なりましたが、所得制限をクリアした個人旅行者とそうでない団体旅行者では飲食にかける費用に大きな差があると考えられます。東南アジアは宿泊と飲食で東アジアと欧米豪に比べて客単価が低く、値段に敏感な特徴があります。

1人1泊あたりの日本国内消費額内訳:世界(地域別) Spending by Country group revised1人1泊あたりの日本国内消費額内訳:東アジア(国別) Country「ラーメン」は万国共通で大人気、欧米豪は「寿司好き」、東アジアは「肉好き」

日本で最も満足した料理として、国籍に関わらず「ラーメン」が上位を占める結果になりました。西洋寿司が広まっている欧米豪では「寿司」の満足度が最も高く、東南アジアでも2番目に人気の料理でした。当社が扱う東南アジアの訪日ツアーでは生ものがNGのお客様も依然として少ないのですが、最近のトレンドとして若年層のFITを中心に「寿司」を召し上がる方が増えています。東アジアはラーメンと並ぶほど人気なのが「肉料理」でした。以前に実施した「インバウンド晩ごはん調査」によると 、日本の「焼き肉」と「焼き鳥」が肉料理で人気という結果でした。

訪日中に1番満足した飲食:世界(地域別) Favorite food by country group revised訪日中に1番満足した飲食:東アジア(国別) Favorite Meal by Country出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査(2016年)」より作成、日本国内消費額は旅行者1人あたりの消費額に平均泊数を割って算出。訪日中に1番満足した飲食は選択率を元にランキング表示。地域別データ( 東アジア, 東南アジア, 欧米豪 )は各グループに属する国籍別データを訪日外客数で加重平均して算出。

質問項目

  • Q1. 日本に訪れる中国人と台湾人はどのように飲食店を探すのですか?
  • Q2. 中国人と台湾人にとってどのような飲食店が人気なのですか?
  • Q3. 「中国人のマナーが悪い」という飲食店の声に対してどう思いますか?
  • Q4. 中国人と台湾人に満足してもらうために飲食店は何をすべきですか?

Q1. 日本に訪れる中国人と台湾人はどのように飲食店を探すのですか?

訪日中国人は口コミ重視、旅ブログと口コミ機能を兼ね備えた「蚂蜂窝」が大人気

(中国・林)日本に訪れる中国人は旅程を立てる段階で飲食店情報に目を通すことも少なくありません。中国最大の旅行情報サイト「蚂蜂窝」(マーファンウォー)は行き先別で飲食店が一覧に表示されているページがあります。さらにモデルコースや個人が旅行の実体験を載せる「遊記」(旅ブログ)という機能があり、投稿者は「遊記」でサイト内の飲食店のページをタグ付けすることができます。そして、各飲食店のページには旅行者が自由に口コミ評価や書き込みができる機能があり、飲食店に対する他の人の評価を見ることができます。飲食店の一覧ページのランキングは口コミ数や口コミ評価で上位表示される傾向にあり、口コミの質と量が各飲食店の検索順位を左右します。「遊記」が「蚂蜂窝」で広まっている理由として、旅行情報を他の人に発信したい旅好きの人だけでなく、「遊記」を書くことで「蚂蜂窝」が販売している旅行商品を購入できるポイントが付与される機能があるからです。そして、「蚂蜂窝」と似たサイトとして、中国版「トリップアドバイザー」として知られる「窮遊」(チュンヨウ)は口コミがメインの情報源であり、旅程を立てる上での情報源として利用されています。

Mafengwo_12以上、中国最大の旅行サイト「蚂蜂窝」のモバイル画面。世界各地の旅行情報をダウンロードできてオフラインで読めたり、ユーザーが旅行の実体験を「遊記」(旅ブログ)に投稿したり、飲食店に口コミを載せたりする機能を搭載。ユーザーは「蚂蜂窝」に「遊記」を投稿するとポイントが貯まり、同サイト内で旅行商品の購入が可能。「蚂蜂窝」に登録した飲食店は「遊記」にタグ付けされると、ワンクリックでサイト内の飲食店のページに飛んで他の人が残した口コミを確認することができる。

中国最大の飲食店検索サイト「大衆点評」、中国本土だけでなく日本の飲食店も多数登録している

(中国・林)中国本土でアクティブ・ユーザー数が最大の飲食店検索サイト「大衆点評」(たいしょうてんひょう)は旅行重視の「蚂蜂窝」と「窮遊」とは違い、デザイン性は欠けますが、シンプルなサイト構造になっています。旅行とは関係なく、「大衆点評」は中国本土でも飲食店探しで利用されているため、中国人観光客は旅中で飲食店探しに使うのも違和感を感じないと思います。「蚂蜂窝」とは異なり、「大衆点評」の検索順位は口コミ数と口コミ評価だけでなく、サイトへの支払額を増やすことで押し上げることができます。

Dianping_1以上、中国最大の飲食店検索サイト「大衆点評」のモバイル画面。旅行重視の「蚂蜂窝」と「窮遊」とは異なり、飲食店と買い物の情報がメイン。買い物ページでは大量にクーポンが載っている。

訪日台湾人は飲食店情報が詳細に載ったブログを好む、気に入ったブロガーにSNSでフォロー

(台湾・蘇)中国人は口コミや短い文章を好む傾向がありますが、台湾人は日本の旅行情報を発信している個人ブロガーをフォローし、詳細な日本の旅行情報を好む傾向があります。中国とは違い、訪日中に利用される台湾の有力な飲食店検索サイトはなく、台湾の飲食店掲載サイト「iPeen(愛評網)」と「WalkerLand(窩客島)」には日本の飲食店が載っていません。従って、台湾人は特定のブロガーをフォローして情報収集したり、Google検索で上位表示される個人ブログや訪日情報サイトで日本の飲食店を探すのが一般的です。例えば、訪日旅行ブログでは女性目線の「via趣旅行」と男性目線の「樂活的大方」が大人気です。美食ブログでは「愛吃鬼芸芸」が有名です。さらに、台湾と香港では旅行にガイドブックを持っていく人も少なくなく、飲食店選びの参考にされています。特に有名なガイドブックは長空出版「食・玩・買 終極天書」と正文社「旅遊全攻略」です。

台湾人は流行の先端を行く、香港人も台湾人ブロガーをフォローする

(台湾・蘇)台湾人は流行に敏感で、台湾で人気がでたものは中国や香港でも流行したりします。また、香港人が台湾人ブロガーをフォローすることも少なくありません。台湾人は北京語、香港人は広東語で発音がかなり違うのですが、文章は繁体字なので似ています。最近では、香港は中国政府の影響で文章も少しずつ標準語の北京語に近くなっている印象です。

Q2. 中国人と台湾人にとってどのような飲食店が人気なのですか?

店先での強引な客引きは逆効果、店先で視覚と嗅覚で食欲をそそる仕掛けが大切

(中国・林)「蚂蜂窝」の検索順位を見れば、訪日中国人にどの飲食店が人気なのか分かります。大阪と言えば、「かに道楽」や「黒門市場」の海鮮料理が人気です。大阪・道頓堀のランドマークともなっている「かに道楽」は店先にタラバかにの炭焼きを売っている屋台があり、動く巨大なカニの看板の視覚的なインパクトだけでなく、海鮮の匂いも旅行者の食欲をそそります。そして、日本では歩きながらの飲食は行儀が悪いと思う人もいますが、夜市がある中国では買ってすぐに食べるのに慣れている人がほとんどなのです。中国人観光客に大人気の「黒門市場」では海鮮料理だけでなく、神戸牛やフルーツなども手軽に食べることができます。屋台で食べ歩きが楽しめるだけでなく、外にテーブル席を作りふぐ料理が食べれる店もあります。他の人が食べている様子を見ることで通りかかった人は食欲がそそられます。逆に店先で強引な客引きをする飲食店は人気がない店だという印象を中国人観光客に強く与えてしまう可能性があるので要注意です。

Kanidoraku以上、「かに道楽」の店先で2足で900円するタラバがにの炭火焼きを購入する中国人夫婦。

Fugu以上、「黒門市場」の一角に店を構える活ふぐの「みな美」でふぐ鍋を楽しむ姿を尻目に通りすがる中国人観光客。2人前で12,000円以上と決して安くはないが、客入りがなくても以前に召し上がったお客様の写真を店先に飾り、ふぐ鍋を食べる様子を分かりやすく伝える工夫をしている。

Matsuzakagyu M以上、法善寺横丁の細い路地にひっそりと店を構える「松阪牛焼肉M 法善寺横丁店」は「蚂蜂窝」の飲食店検索で上位に出てくる焼肉店。米トリップアドバイザーでも「外国人に人気の日本のレストラン2014」に第1位に輝いた有名店。高級和牛を使用するだけにコストパフォーマンスには賛否両論。店内では松坂牛や各部位の説明を外国語で丁寧に説明できるスタッフがおり、接客サービスの質の高さも外国人観光客の満足度の高さに繋がっている。

左右が板で仕切られた「一蘭」の「味集中カウンター」はSNSで店内の特徴が伝わりやすい

(中国・林)中国人観光客の間でラーメンと言えば、「一蘭」というほど根強い人気を誇っています。「一蘭」は数年前からずっと人気であり、先行者利益を享受したともいえるでしょう。元々は新宿の「一蘭」が人気になり、大阪でも梅田と心斎橋の店が有名になりました。店内の「味集中カウンター」は左右が板で仕切られており、このユニークな店の作りはSNSでも拡散されやすく、「一蘭」の特徴が中国人観光客にも伝わりやすくなっています。家族や友人で来店する場合はこの仕切りを取っ払うことができて、家族や友人と一緒に集中してラーメンを食べる特別感も味わうことができます。そして、中国といえでも地方によって食の嗜好が違うため、多言語に訳された注文表で海外のお客様が個人の好みに合わせて自由に麺の硬さやスープの辛さを調節できるのも「一蘭」が人気な秘訣なのかもしれません。

Ichiran以上、天然とんこつラーメン「一蘭」の「味集中カウンター」で家族3人で食事を楽しむ中国人観光客。

新幹線の形をしたお皿が寿司のネタを届けてくれる「くら寿司」は子供連れの中国人観光客に大人気

(中国・林)基本的に飲食店が観光客に人気になるには観光地に近い立地が重要な要素です。ただ、国内の郊外型ファミリーをターゲットにしている「くら寿司」は主要観光地から少し離れた立地条件ながら、特に子供連れの中国人観光客に人気になっています。その理由は、タッチパネルで注文すると、新幹線の車両の形をしたお皿で寿司のネタを席まで届く仕掛けにあります。このような高いエンターテイメント性のある店内の工夫はSNSでも拡散されやすく、不便な立地でも足を運ぶきっかけになります。

日本在住の知人や友人の口コミをもとに飲食店選びをする訪日台湾人も少なくない

(台湾・蘇)日本在住の台湾人が訪日台湾人にも勧めたくなる店が国産牛食べ放題で有名な焼肉店「あぶりや」です。5年ほど前は店内に外国人が少なく、インバウンド対応に力を入れている印象はなかったのですが、最近では店前の予約者リストを見ると中華系の名前を多く見るようになりました。日本在住の台湾人によるSNS投稿や伝聞情報も侮れない存在です。例えば、もし台湾の友人が寿司が食べたいと言ったら、私は「元禄寿司」をお勧めしています。大阪・道頓堀にある寿司屋を食べ比べた中で最も美味しかったのと、回転ずしのルーツが「元禄寿司」である話題性が理由です。

Genroku Sushi以上、大阪・道頓堀で蘇が台湾の友人も連れて行くという「元禄寿司」にはスーツケースを引いた外国人観光客らしき人も並んでいた。

マーケティング力を強化する前に商品やサービスが満足できるレベルか知ることが最優先

(台湾・蘇)外国人観光客に料理を売り込む前に、外国人のニーズを知ることは不可欠です。ただ、日本でも人気なものが台湾でも人気になる傾向があります。結局、どんなにマーケティングが上手くても、売っている商品やサービスが顧客満足に繋がっていなければ、インバウンドの集客力を維持することは不可能なのです。例えば、台湾の訪日情報サイトに掲載されて人気になった大阪の某焼肉店は料理の質は普通で、量は店が人気になったと同時に減ったため、口コミも悪い投稿が目立つようになった事例もあります。

訪日台湾人に和牛が人気な理由に14年間続いた日本産牛の禁輸があった

(台湾・蘇)ちなみに、和牛が台湾人観光客に大人気な理由に14年間続いた日本産牛の禁輸があります。台湾ではつい最近まで狂牛病が発端で始まった日本産牛の禁輸により、和牛は日本でしか食べれない存在でした。そんな台湾人にとって、3,480円(税抜)で国産牛焼肉食べ放題が楽しめる「あぶりや」は日本在住の台湾人も勧めたくなるほど大人気です。神戸牛などの高価なブランド牛も知られていますが、日本産の和牛自体に台湾人はブランド価値を感じているため、日本産牛を安く食べられる店が人気になります。今年9月に日本産牛の禁輸は解禁になり、台湾でも和牛が楽しめるようになりますが、日本ほど和牛をたくさん安く食べられる店がないので、今後も日本で和牛を食べたいという訪日台湾人のニーズは続くと思います。和牛のように日本でしか食べれない食べ物は人気になりやすく、それは日本食に限ったことではありません。例えば、最近まで台湾で店舗進出していなかったニューヨーク発の「LUKE’S(ルークス)」のロブスター・ロールは本場アメリカ以外に日本でしか食べれない存在だと思われていました。

訪日中国人に大人気の「パブロ」と「りくろーおじさん」は買い物客が小腹を満たすのに格好の立地

(中国・林)ショッピングが楽しめる心斎橋筋商店街にある「パブロ」と「りくろーおじさん」は訪日中国人に大人気です。心斎橋で歩き疲れ、小腹が空いた買い物客が甘いものを食べるのに「パブロ」や「りくろーおじさん」は格好の場所にあります。

長年のブログ投稿で人気になった「ハーブス」、フルーツ入りのクレープが大人気

(台湾・蘇)「パブロ」は訪日台湾人にも大人気です。「パブロ」のように心斎橋で路面店を構えるほど立地条件がよくなくても、人気を集めている店があります。大きなケーキで有名な「ハーブス(HARBS)」は百貨店の中に店を構え、心斎橋筋商店街を歩く買い物客の目に触れられにくい場所にありますが、台湾人旅行者のブログやSNS投稿に10年ほど前から少しずつ取り上げられたことで人気になりました。特に季節のフルーツが入ったミルクレープが大人気で、フルーツ好きの台湾人にはたまらない味です。

Harbs1以上、台湾最大のブログサイト「痞客邦(PIXNET)」に訪日台湾人が「HARBS」の「水果千層蛋糕(ミルクレープ)」について書いたブログ。台湾人だけでなく、香港人のフォロワーも多数いる。

Q3. 「中国人のマナーが悪い」という飲食店の声に対してどう思いますか?

日本の常識やルールを知らない外国人観光客への伝え方に工夫する

(中国・林)日本と中国の文化の違いから、「中国人のマナーが悪い」という印象を持つ日本人がいるのだと思います。以前に中国の友人を京都の伏見稲荷神社に連れていった際に、近くの店で珍しいお土産を見つけたので写真に取ろうとしたら、その店を切り盛りする老父婦から「写真を取らないのが常識だ」や「日本のルールが守れないのなら来るな」と怒られたことがありました。もし来店者の目がつく場所に写真はNGと書いてあったら、大抵の中国人観光客はその注意書きに従うと思います。例えば、中国ではファーストフード店が混み合っている時に並んでいては買えないので並ぶ人はほとんどいないのですが、日本では店の前で並んでいる人を見ると大抵の中国人観光客はちゃんと並んで待ちます。観光で短期的に滞在する中国人に対して日本の常識やルールを伝える方法にもう少し工夫があってもいいのではないかと思います。

悪気がある人はほとんどいない、迷惑をかける言動があれば正直に伝えてほしい

(中国・林)多くの日本人が抱いている中国人に対する固定概念に「中国人の声が大きい」があります。あながち間違っているとは言えないのですが、もし声の大きさで周りのお客様に迷惑をかけている場合は、「静かにしてください」と正直にお伝えすることが大切です。中国人のお客様で迷惑をかけようと悪気がある人はほとんどいないので、店内の注意書きに載せたり、中国人スタッフに頼んで言ってもらったり、片言の中国語で伝えたり、コミュニケーションをしっかり取って、周りのお客様に迷惑をかけている言動に気づいてもらうことが重要です。

Q4. 中国人と台湾人に満足してもらうために飲食店は何をすべきですか?

日本語のメニューは文字化けにしか見えない、店のこだわりを多言語で伝えると集客力に繋がる

(中国・林)まずは中国人観光客にとって、言語対応していない店への来店はハードルが高くなります。中国語ができるスタッフが常駐していることが分かると店に入りやすくなります。そして、メニューに翻訳がない場合、カタカナのメニューは文字化けのようにしか見えず、何を頼んだらいいのか中国人観光客には分からないので、写真を使ったり、メニューを中国語に翻訳する必要があります。そして、寿司や焼肉のように単品でオーダーする形式の飲食店に関してはセットメニューがあると喜ばれます。日本人のようにどの寿司がどんな味がするのか分からないこともあるので、まぐろづくしセットなどのセットメニューを設定することで、オーダーもよりスムーズできるようになります。さらに、翻訳はメニューだけになりがちなのですが、飲食店が料理のこだわりを中国語で伝えることで店の特徴が中国人観光客に伝わりやすくなり、店選びの決め手になります。

Alipayや WeChat Pay は必ずしも必要な存在ではない、支払いよりも食事の手軽さの方が重要

(中国・林)食事の手軽さも重要です。「黒門市場」が人気な理由にも、見たものがすぐ買えて、歩きながら食べることができるからです。一方で、デパ地下は日本人にとって大人気ですが、多言語対応があまりされておらず、弁当などはホテルまで戻って食べなくてはならない煩わしさを中国人観光客は感じてしまうのだと思います。また、中国独自の支払方法として、銀聯カード(Union Pay)、支付宝(Alipay)、微信支付(WeChat Pay)が有名ですが、支払いの便利さは飲食店選びにおいてさほど重要ではありません。現金払いのみの店でも安くて美味しい店であれば、中国人観光客に人気な店になります。ただ、似た商品を販売するコンビニなどでは支付宝や微信支付の便利さが来店の理由になることもあります。

集客から口コミへの動線づくりで継続的な集客ができる、口コミを増やす工夫が必要

(台湾・蘇)単発的なプロモーションで集客するよりも来店者に口コミを書いてもらう動線づくりが重要です。微信ですぐ書き込めるようにQRコードを用意したり、Facebookで投稿したり口コミを書いたら無料ドリンクをプレゼントするなどの地道な店舗内の戦略も集客力アップに繋がると思います。お客様の帰り際に片言の中国語で「謝謝」と伝えるだけでも店に対してより良い印象を持って頂けます。観光で短期的に滞在する訪日外国人が同じ店のリピーターになることは考えにくいのですが、口コミを増やす動線をつくることで口コミを見た別の観光客が来店するきっかけになります。結局は目の前にいるお客様にいかに喜んでもらって、いかにその口コミも発信してもらうかが継続的な集客力の鍵になると思います。

以上、中国出身の林と台湾出身の蘇との社内インタビューをお送りしました。

以上、左から順に訪日業界のプロモーション事情に精通した台湾出身の蘇 峻陽(ス・チンヤン)とインバウンド・マーケティング部の創設当初から現場で調査の指揮をとる中国出身の林 哲(ハヤシ・テツ)

当社、株式会社フリープラスでは飲食店にインバウンド集客を支援するマーケティング商材を提供しております。当社が飲食店向けに提供する吃導(チーダオ)は中国3大旅行サービス( 蚂蜂窝, 窮遊, 大衆点評 )への登録代行を行い、訪日中国人に対して日本の飲食店情報を可視化するお手伝いをしております。

当社が運営する INBOUND RESEARCH .jp では、インバウンドの自主調査記事を隔週、配信しております。インバウンド市場についてのプロモーションや調査に興味がございましたら、以下のお問い合わせフォームより気軽にご連絡いただけますと幸いです。

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